日本天文学会刊行の欧文研究報告誌PASJ (Publications of the Astronomical Society of Japan) で、 XRISMによる初期成果の特集号が発行されました。
https://academic.oup.com/pasj/issue/77/Supplement_1
関連トピックス
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ブラックホールの「爆風」、30万光年先まで到達 〜想定の100倍超のエネルギーを発見〜
銀河の中心には超巨大ブラックホールが存在することが知られています。ブラックホールの活動による影響が、どれほどの威力で、どこまで広大な環境に及ぶのかは、銀河とその中心のブラックホールがともに成長する仕組みを理解する上で大変重要な問題であり、宇宙物理学における長年の課題でした。
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XRISM、中性子星に流れ込むガスを “CTスキャン”
宇宙には、非常に大きな質量がごく小さな領域に集中した高密度天体があり、こうした天体はコンパクト天体と呼ばれます。ブラックホールや中性子星がその代表例です。こうした天体は、2つの星が互いの重力で結びついて回り合う連星系をつくっていることがよくあります(図1)。このような連星系では、コンパクト天体の強い重力によって相手の星(伴星)から物質が引き寄せられ、コンパクト天体へと流れ込みます。その物質は中心天体のまわりに降着円盤を作り、落ち込む過程で失った重力エネルギーを放射として放出するため、系全体は明るいX線源として観測されます。しかし、その物質の流れは遠方にあるため、ふつうの望遠鏡で直接"写真"のように撮ることはできません。
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スターバースト銀河では超新星爆発のエネルギーの大部分が高温ガスへ
スターバースト銀河では、大量の星形成に伴う多数の超新星爆発によって銀河中心部のガスがX線を放射するほどの高温に加熱されます。この高温ガスが駆動源となって周囲の物質を押しのけ、巻き込みながら高速の流れ(銀河風※4、図1参照)が形成されると考えられています。この流れは銀河内にとどまる成分を含むとともに、一部が銀河外へ流出する場合があると考えられています。このような物質の流れは、星の内部で作られた重元素を含む物質やエネルギーを銀河内外へと運ぶことで、銀河内外を結ぶ物質の輸送過程を担い、銀河の進化や宇宙の物質循環に重要な役割を果たします。しかし、これまで観測されてきたのは主に巻き込まれた物質の運動であり、駆動源である高温ガスの運動を直接測定することは困難でした。そのため、超新星爆発のエネルギーがどの程度高温ガスとして蓄えられ、どの程度の物質が流出するのかを観測的に検証することは長年の課題でした。